FACT X/1  2020展

皆様、この日々をいかがお過ごしでしょうか。以下長い文章での次回展覧会のお知らせとなり恐縮です。

GALLERYエクリュの森は、今年は各地における(愛知、神奈川、岡山、ロンドンなど)美術館展示の応援が相次いでいましたので、三島のギャラリーは比較的ゆとりを持って臨機応変に関連展示ができれば、という態勢でおりました。そんな中でこの事態を迎え、美術館での展示が残念ながらクローズや延期となりました。(延期情報など詳細は諸施設から最終的な連絡があり次第関連ページに追記させて頂きます。)ギャラリーとして本状況下で出来ること、するべきことはなんだろうと問い続け、以下のような展覧会を開催する運びとなりました。

開業当初の話になりますが、2006年、歴史的価値もあった片倉工業の沼津工場(正式名称未確認)が老朽化のため取り壊されることになりました。建物は丁寧に作られており、取り壊しを惜しむ声が多数挙がりましたが、予定通り遂行されることになりました。その際、そのことを記録しておきたい、とF A C T 2/1(ファクトイチブンノニ)という展覧会を企画しました。「歴史ある工場の消失」、という一つの事実を前に二人の写真家がそれぞれ工場内に入って撮影を行い、展示するというものでした。

それから15年近い時を経て、今回のS T A Y H O M Eを迎え、この展覧会のことをしばしば思い出しました。状況は異なりますが、「できる限りの移動を避け人との接触を避けて暮らす」というこの日々は多くの人が共有する一つの事実、F A C Tです。この春このF A C Tに向き合い、その空気の中でそれぞれの作家がどう暮らし、どう作っていたのか、あるいは作らなかったのか、それを並べてみることによって何かが見えてくるかもしれないと思いました。ひとつのF A C Tを通してそれぞれのF A C Tが生み出されているという当たり前のことの記録として、今の私たちに、そして数年後、数十年後、この2020年の春の特別な事実を世界中の人が共有したことを感慨を持って振り返るであろう未来の私たちに向けて、届いてゆく展示になればと思います。

【内容】

2020年2ー6月に作家が表現したもの、あるいは関係したことなどについての展示となります。ジャーナルの要素の強い展覧会で、それぞれの記録として、作品あるいは関連物(記録写真等)を展示します。販売、非売のものが混在する展示となりますことをご理解ください。

タイトル:FACT  X/1  2020展

期間:2020年7月2日(木)ー10日(金)

(13ー17時:その他個別に対応させて頂きます。)

参加作家:明田一久、安部大雅、遠藤章子、大隈秀雄、太田宗平、大森梨紗子、岡部稔、川合朋郎、河本蓮大朗、今野絢、作間敏宏、白砂勝敏、髙﨑紗弥香、高松明日香、田中毅、長友由紀、長野順子、松本力、横井山泰、李元淑

会場:静岡県三島市大宮町2ー16ー21 1F 

GALLERYエクリュの森 055ー976ー2320

info@ecru-no-mori.jp

【鑑賞する皆様へ】

観覧は完全予約制とし、実際にギャラリーに足を運ぶこともできますが、リモート観覧もできるようにします。(現在の状況を踏まえて遠方の方にはリモート観覧をお勧めいたします。)リモート観覧とは、ここでは、zoom, line, facetimeなどの機能を用いて、ギャラリーサイドが鑑賞者の方達の意向に沿ってカメラを動かし鑑賞してもらうというかなりアナログな方法とします。

観覧ご希望の方はinfo@ecru-no-mori.jp宛に【観覧希望】と書いてメールをお送り下さい。ギャラリーサイドもリモートワークの状況で本展を準備、実施いたしますので、ご理解のほどお願いいたします。作品のご購入については先着順とさせて頂き、squareと銀行振り込みの方法で対応させて頂きます。(なお、リモート観覧ご希望の方の人数が現時点で把握しかねますのと、この方法を用いるのが初めてのことですので、追って変更をお願いする可能性のある実験的なものであることをご承知くださいませ。)

以上、初の試みとなりますが、無事皆様に作品を鑑賞して頂けることを楽しみにしております。